「かゆみや赤みがなかなか治らない」
「足の皮がむけているけど、水虫かどうかわからない」
「頭皮にフケのようなものが出て、かゆみが続いている」
こうした症状の背景には、カビ(真菌)やダニなど、肉眼では見えない微生物の感染が隠れていることがあります。
その原因を明らかにするために行われるのが、「顕微鏡検査(直接鏡検)」です。
皮膚の一部を採取し、顕微鏡で観察することで、水虫・マラセチア・疥癬などの感染症をその場で確認することができます。
当院では、必要に応じて顕微鏡検査を実施し、正確な診断と適切な治療方針の決定に役立てています。
顕微鏡検査(直接鏡検)とは、皮膚・爪・髪の表面からごく少量の検体(皮膚片やフケなど)を採取し、顕微鏡で観察する検査です。
真菌(カビの一種)や寄生虫など、肉眼では見えない病原体をリアルタイムで確認できます。
皮膚科領域における主な対象疾患は以下の通りです。
真菌感染症(カビ)
・足・手・爪の水虫(白癬)
・頭部白癬(子どもの頭の脱毛など)
・癜風(でんぷう:体や背中に出るマラセチアによる色素斑)
寄生虫疾患
・疥癬(かいせん:皮膚に寄生するヒゼンダニによる強いかゆみ)
・毛じらみ・頭じらみ
この検査の最大の利点は、短時間(数分)で結果が得られることです。
病原体の有無をその場で確認できるため、誤診や不必要な治療を避け、すぐに適切な薬を選ぶことが可能になります。
当院では、以下のような症状がある方に対し、必要に応じて顕微鏡検査を実施しています。
・足の裏や指の間の皮むけ・かゆみがある(水虫の疑い)
・爪が濁って分厚くなってきた(爪白癬の可能性)
・頭皮や体幹にフケ・色素沈着・ざらつきがある(癜風など)
・全身の強いかゆみが夜間に悪化する(疥癬の可能性)
顕微鏡検査は、数分のうちに結果が出る簡便な検査であり、患者さまに大きな負担はありません。
診察中に医師が症状を見て「感染の可能性がある」と判断した場合、適切にご案内いたします。
また、白癬菌や疥癬が確認された場合には、外用薬・内服薬の選択を含め、ガイドラインに沿った標準的な治療をご提案します。
「水虫かどうか不安」「市販薬を使っても治らない皮膚トラブルがある」
そんなときは、まずは一度ご相談ください。
目に見えない原因を“見て診断する”ことで、遠回りせずに治療が進められることも多くあります。