「このほくろ、本当に良性ですか?」
「しみのように見えるけど、がんではないか心配」
「長く治らない皮膚の赤みや盛り上がり、いったい何なのか…?」
皮膚のトラブルやできものは、見た目だけでは診断がつきにくいことが多く、目に見える“形”と内部の“組織”が一致しない場合もあります。
そんなときに、より正確な診断のために行うのが「病理検査(皮膚生検・病理組織診断)」です。
皮膚の一部を採取し、顕微鏡で専門医が細胞レベルで評価することで、皮膚腫瘍・皮膚がん・慢性皮膚疾患などの確定診断につながります。
病理検査とは、病変部の皮膚組織を採取し、専門の病理医が顕微鏡で組織構造を観察・診断する検査です。
皮膚科・形成外科領域では、以下のような目的で実施されます。
良性・悪性の鑑別
・ほくろか皮膚がんか見た目では判断が難しい色素性病変
・粉瘤や石灰化上皮腫、転移性皮ふ腫瘍(転移性皮膚がん)など、形状が似た皮下腫瘍
・がんの早期発見(悪性黒色腫・日光角化症・ボーエン病など)
慢性皮膚疾患の確定診断
・アトピー・乾癬・扁平苔癬など、見た目が似ている皮膚病変の診断補助
・膠原病・自己免疫性疾患による皮膚症状の精査
・原因不明の赤み・角化・かさぶた・脱毛部位の確認
検査は通常、局所麻酔を用いて皮膚や腫瘍の一部または全部を採取し、組織を固定・染色してから顕微鏡で病理専門医が診断します。
1週間〜10日程度で結果が出ることが多く、診断の確定や治療方針の決定に非常に重要な役割を担っています。
当院では、以下のようなケースにおいて必要に応じて病理検査を実施しています。
・ほくろやしみが大きくなってきた、色が不均一で気になる
・切除した腫瘍(できもの)の確定診断
・できものや盛り上がりが長期間治らない、炎症が繰り返される
・診断がつきにくい慢性皮膚疾患や難治性の湿疹
検査は信頼できる病理専門機関に依頼し、結果が出次第、丁寧にご説明・今後の治療方針をご提案いたします。
「見た目だけでは判断できない」皮膚の変化は、早めに専門的な評価を受けることが大切です。
病理検査は、正確な診断と安心できる治療のための“確かな材料”となります。
少しでも不安を感じたときは、お気軽にご相談ください。