ムダ毛の処理方法として、ご家庭で除毛剤や脱毛器を使用されることもあると思います。たくさんの商品も販売されています。
しかし、それらの使用が皮膚を刺激し、毛包炎といわれる毛穴の炎症を引き起こしたり、無用な肌トラブルを引き起こすことがあります。また、そもそも、ご自身で処理されるのは手間がかかります。
そのような問題を解決したいとき、医療脱毛やエステ脱毛を検索すると、たくさんありすぎて、選び方が分からずあきらめる方も多いと思います。迷った時には以下の内容を参考にしてみてください。
そもそも医療脱毛とエステ脱毛は何が違うのでしょうか。
医療脱毛は、医療行為としてレーザーで毛根の細胞を破壊して毛を生えなくする方法で、国家資格をもつ医療従事者(医師、看護師)のみが行えます。
エステ脱毛では、この毛根の細胞を破壊するような医療行為は医師法で禁止されており、IPLという光治療器を使って、毛の細胞に光でダメージを与えます。「光脱毛」ともいわれますが、「減毛」が正しい表現になり、特に資格は必要ありません。
① 永久脱毛が可能
② 医師・看護師が対応する
③ 脱毛完了までの回数がエステ脱毛より少ない
④ 麻酔クリームを使うことで痛みを軽減できる
⑤ 施術1回にかかる費用がエステ脱毛より高い傾向がある
医療脱毛で使うレーザーはエステ脱毛と比べ、強いエネルギーで照射し、
毛根組織や発毛を促す領域(バルジ領域)を破壊するため、「永久脱毛」が可能です。
永久脱毛はアメリカの電b気脱毛協会(AEA)では「最終脱毛から1ヶ月後の再生率が20%以下である脱毛」と定義されています。
つまり、少しは毛が生えるかもということです。「一生毛が生えてこない」わけではないので、その点はご注意ください。
エステ脱毛では、弱い出力で毛の生成を抑えているので、減毛となります。
そのため、ヒゲやうなじのようなデザインが気になるような部位は美容脱毛を選ぶ方もいらっしゃいます。
先ほどもお伝えしましたが、医療行為であり、医師か看護師が行います。そのため、基本的に病院やクリニックでの施術となります。さらに、皮膚科や形成外科のクリニックであれば、脱毛前に肌状態をチェックするのはもちろん、施術後に赤みが出るなどの肌トラブルが起こっても安心して相談することができます。必要な場合は軟膏処方も可能です。
毛は毛(もう)周期(しゅうき)といって一定のサイクルで生え変わりを繰り返します。
そのため、頭髪をのぞくと、脱毛に適した成長期の毛は10%程度です。この成長期の毛が入れ替わるときに脱毛をすることになります。そのため、医療脱毛でもエステ脱毛でも施術を受けてから次の施術までは1カ月ほど空ける必要があります。
脱毛器の種類や毛の量・部位にもよりますが、医療脱毛では3回ほど施術を受けていただいた3カ月後から、毛が減ってきている実感が湧きます。個人差はありますが、半年から1年程度で永久脱毛が完了する方が多いです。
一方、エステ脱毛では出力が弱いため、6回程度受けた半年ほどで毛量の変化を感じるようになり、施術完了までに平均2~3年かかるといわれています。
医療脱毛では出力が強いため、痛みはどうしても強くなります。
医療脱毛に使われるレーザーには熱破壊式と蓄熱式の2種類がありますが、比較すると蓄熱式脱毛の方が痛みは弱くなります。
そのため、痛みが苦手な方は美容脱毛を選択されることが多いのですが、医療脱毛では表面麻酔(麻酔クリーム)の使用が可能であるため、麻酔を使用した場合は、美容脱毛よりも痛みが少なく施術を受けられます。
麻酔が浸透するまでの時間は余分にかかりますが、かなり痛みが軽減されます。当院でも麻酔クリームの使用が可能です。
1回の施術費用は、医療従事者が施術することも含めて医療脱毛のほうが高額になります。
ただ、医療脱毛のほうが、施術完了までにかかる回数が少ないため、費用総額で考えると安価になることも多々あります。
脱毛効果が思ったように出ず、回数が増えてしまうこともあります。
費用を重視する方は、こういった回数についてもしっかり吟味してみて下さい。
医療脱毛では、レーザーの出力が高いためエステ脱毛より肌トラブルのリスクが高くなります。
医療でもエステでも起こりうることですが、頻度は多くありません。
脱毛時に起きやすい肌トラブルとしては以下のものが主にあげられます。
毛穴が熱で傷み、赤くなります。少し痛みを伴うこともあります。
肌が赤くなったりひりつきます。ひどくなると、しみのように色素沈着を起こすことがあります
照射することで毛が太くなったり多くなったりすることがあります。
残念ながら原因がわかっておらず、施術を継続するかどうかを慎重に検討します。
施術前にカウンセリングで肌の状態を確認してから施術します。それでも万が一トラブルが起こってしまった場合に、
皮膚科と連携できている等しっかり診断や治療を行ってくれる場所を選ぶことも非常に大切です。
最近ではお子様でもムダ毛について悩まれる方が増えています。
特に思春期には、第二次性徴によりムダ毛が急に増えますし、見た目も気になる時期です。
私達親の世代が子供のころには、ここまで医療脱毛やエステ脱毛が普及しておらず、
自己処理をしていたという方も多いと思います。
そのため、子供の悩む気持ちはわかるけど、どんなところを選ぶのか、そもそも脱毛は安全なのか、
と不安がふくらむことと思います。
実は、脱毛をする時期について、医学的に明確な年齢制限はありません。
未成年の脱毛について気をつけるポイントをお伝えします。
早ければ10歳頃からムダ毛が気になるお子様もいらっしゃいます。
ですが、第二次性徴期より前の毛はいわゆるうぶ毛であり、第二次性徴期に入ると、ホルモンバランスが大きく乱れ、
毛が太く濃くなり、ワキなどにも毛が増えてきます。
明確な年齢制限はないものの、この時期を終えてしっかり毛が生えてから脱毛を始めることをお勧めしています。
理由はいくつかあります。
まず、そもそも脱毛の機械はメラニンの色素に反応するため、薄い毛には反応せず効果が乏しくなります。
さらに、成長過程の毛が増える前に脱毛してしまうと、成人後にまた毛が生えてきてしまいます。
とはいえ、思春期こそムダ毛が気になるでしょうし、間違った自己処理をすると、皮膚にダメージを与えてしまいます。
ですので、早めに脱毛を始められる場合には、成人後に追加で施術する必要があるかも、と理解しておく必要があります。
思春期には外見のコンプレックスは誰でも持ってしまうものだと思います。
毛の多さやヒゲの濃さにコンプレックスがある場合は、早めに脱毛を行うことで、自信につながるのではないでしょうか。
また、お子様が自分でムダ毛処理をすると、剃刀負けや皮膚の乾燥などの肌トラブルが起こりやすくなります。
医療脱毛をしているクリニックでは、自己処理の際のお悩みなども相談できるというメリットもあります。
ただし、成人に比べると肌は弱いため、脱毛時の肌トラブルのリスクは起こりやすくなります。
施術前後の保湿や日焼け対策も重要になります。そういった注意点もきちんと説明してくれるクリニックを選びましょう
未成年の方が脱毛を希望される際は、事前に保護者の方に同席いただき、しっかりとリスクについてもご理解いただいたうえで安心して施術を受けていただきたいと考えております。お手数ではありますが、保護者の方から同意書もいただいております。ご協力を宜しくお願いします。
脱毛が身近になったことで、シニア世代の方の脱毛希望も増えてきています。「もう誰に見られることもない」、そうおっしゃる方もいらっしゃいます。ですが、脱毛を希望される方には、セカンドライフを楽しまれている方はもちろん、お悩みを解決するために脱毛を希望される方もいらっしゃいます。
具体的には、更年期でムダ毛が目立つようになった、視力低下がありムダ毛の処理が面倒になったなどの理由があげられます。
また、若いころはヒゲを生やしていたが、邪魔になってきたという方もいらっしゃいます。そして、近年、よく聞かれるのが「介護脱毛」という言葉です。
ご自身が介護に携わっておむつ交換をする際に毛が邪魔だった、などのご経験から老後介護が必要になった場合のことを考えてVIO脱毛を検討されるケースのことです。
デリケートゾーンであり、見られるのが恥ずかしいのは当たり前ですが、介護される側になった時に備えて、というのは“終活”などが話題となる今の時代ならでは、といえます。
VIOの脱毛をしておくことは、実は衛生面でも蒸れや菌の増殖を抑えるというメリットがあります。
シニア世代が脱毛を受ける際は何よりも白髪はレーザーでは脱毛できないことを知っておいてください。
脱毛の機械は色に反応するため、薄い毛や色が抜けた白髪には反応しません。
針脱毛を行っているクリニックでは白髪1本ずつを確実に脱毛するので可能ですが、クリニックの数は限られています。
加齢とともに、全身の毛の色が少しずつ薄くなるため、レーザーでの脱毛にご興味がある方は早めに相談してみてください。