医療・美容コラム

ニキビ

「ニキビ」当院で行っている治療

ニキビについては、まずは保険診療での治癒を目指します。

保険診療だけでは、治療内容が足りていない方や希望されている方にはピーリングやニキビケアに特化した化粧品もご案内させていただきます。

また、重症ニキビで長年お悩みの方には、イソトレチノインの内服(保険外)も検討させていただきます。

「ニキビ」治療の費用について

→料金表はこちらから確認ください。

「ニキビ」でお悩みの方へ

ニキビは痛みやかゆみがあり、見た目にも影響するので、お悩みの方は多いと思います。

今までに治療を受けたけど治らなくて悩んでいる方、相談しても悩みが解決しないと思っている方もよくお越しいただきます。

生活に合わせた治療をご提案するように心がけておりますので、あきらめる前に相談してみてください。
→予約はこちらから

「ニキビ」について、更に詳しく医師が解説します。

10代になると皮脂の分泌が活発になり、いわゆる思春期ニキビができやすくなります。

そして、ようやく思春期ニキビが落ち着いてきたと思ったら、社会人になるとストレスや食生活の乱れが原因で今度は大人ニキビが現れることがあります。

さらに、女性は生理周期に合わせてニキビが繰り返しできてしまうことも。こうした肌トラブルは、適切な対処が必要です。

「何度か皮膚科に通ったけれど改善しない」
「生活習慣を変えたくてもなかなかできない」
「マスクの蒸れでさらに悪化してしまう」

このような悩みを抱える方も少なくありません。本記事では、肌トラブルの原因や予防法、そして皮膚科での具体的な治療法について解説します。

肌の悩みを解消し、健康な肌を取り戻すための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

そもそもニキビとは?肌荒れの一種なの?

ニキビとは、皮脂腺から分泌される皮脂が毛穴に詰まり、炎症を起こすことでできる肌トラブルの一つです。

正式には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれ、顔や背中、胸など皮脂分泌の多い部位に発生しやすいのが特徴です。

ニキビは思春期に多く見られますが、大人になってからもストレスやホルモンバランスの乱れが原因で繰り返しできることがあります。

ニキビは肌荒れの一種と誤解されがちですが、実際には異なるメカニズムで生じます。

肌荒れは乾燥や外部刺激によって肌のバリア機能が低下し、赤みやかゆみ、ざらつきなどの症状を引き起こす状態です。
→肌荒れについての解説はこちらから

一方、ニキビは毛穴の詰まりとアクネ菌の増殖が主な原因であり、適切なスキンケアと治療が求められます。

いろいろな種類があるニキビ、その症状とは?

ニキビは皮脂が毛穴に詰まることから始まります。この初期段階が「白ニキビ」や「黒ニキビ」と呼ばれるもので、まだ炎症は起きていません。

白ニキビは表面がざらつき、黒ニキビは毛穴の開きが目立つのが特徴です。

その後、毛穴に詰まった皮脂をエサにアクネ菌が増殖すると炎症が起こり、「赤ニキビ」ができます。この段階になると痛みやかゆみを伴うことがあります。

さらに炎症が悪化して膿がたまると「黄ニキビ」に進行します。

放置された赤ニキビや黄ニキビは、肌の深部にダメージを与え、ニキビ跡として残る可能性があります。
→ニキビ跡についての解説はこちらから

特に、クレーター状の跡や色素沈着を引き起こすことがあるため、早めの治療が肝心です。ニキビの種類に応じた適切なケアを行うことで、肌へのダメージを最小限に抑えることができます。

ニキビと似た疾患

ニキビに似た症状を引き起こす疾患の一つに 毛嚢炎(もうのうえん) があります。

毛嚢炎は、毛穴に存在する皮脂腺が炎症を起こす点ではニキビと似ていますが、その原因は異なります。

毛嚢炎は主に 黄色ブドウ球菌 という細菌が原因であり、ニキビの原因となるアクネ菌とは異なる細菌によって引き起こされます。

見た目ではニキビとの区別が難しい場合も多く、特に腫れてしまうと芯のあるニキビと似た状態になります。しかし、ニキビとは異なる治療が必要になることもあります。

ニキビと思っていたら、小さな粉瘤というデキモノだったり、毛嚢炎だったりします。その場合は、皮膚の外へ膿を出す処置が必要になることもあります。

自己判断で市販薬を使ってしまうと、かえって症状を悪化させることもあります。

繰り返す吹き出物や治らないニキビのような症状がある場合は、まず皮膚科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

ニキビの原因とは?

ニキビは、毛穴が詰まり、炎症を引き起こすことによって発生します。以下の原因が主にニキビを引き起こす要因となります。

皮脂の分泌過多

思春期やホルモンバランスの乱れにより、皮脂腺が活発になり過剰に皮脂が分泌されます。この皮脂が毛穴に溜まり、アクネ菌が繁殖する原因となり、炎症を引き起こします。

ホルモンの変動

特に女性の場合、生理周期や妊娠、ストレスなどによるホルモンの変動が皮脂分泌を活発にし、ニキビができやすくなります。

また、男性ホルモンの影響もニキビを引き起こす原因となることがあります。

不規則な生活習慣

睡眠不足やストレスの多い生活、偏った食事は、ホルモンバランスや皮脂の分泌を乱す原因となり、ニキビの原因を悪化させます。

間違ったスキンケア

ニキビの予防には適切なスキンケアが大切ですが、過度な洗顔や強い洗顔料、自己判断での化粧品使用などが、肌のバリア機能を低下させ、ニキビを引き起こすことがあります。

アレルギー反応

化粧品や食べ物、薬物に対するアレルギー反応として、ニキビが現れることもあります。

特に敏感肌の方は、製品を選ぶ際に注意が必要です

ニキビの予防法

ニキビを予防するためには、日々の生活習慣の見直しや正しいスキンケアが大切です。以下に具体的な予防法をご紹介します。

正しいスキンケアを行う

洗顔は1日2回、朝と夜に行い、優しく行うことが大切です。強くこすりすぎると逆に皮脂腺が活発になり、ニキビの原因になります。

また、保湿もしっかり行い、乾燥を防ぎましょう。ニキビ用の化粧品やクレンジングが効果的ですが、自分の肌に合ったものを選ぶことが大切です。

食生活の見直し

脂っこい食べ物や甘いものを控えることが、ニキビの予防に役立ちます。

特にビタミンAやCを豊富に含む食材(野菜や果物、魚など)を意識的に摂取しましょう。これにより、皮膚の健康が保たれ、ニキビの予防に繋がります。

ストレスを減らす

ストレスはホルモンバランスに影響を与えるため、リラックスする時間を持つことが重要です。

趣味や運動、十分な睡眠を取ることで、ストレスを軽減しましょう。

睡眠を十分に取る

睡眠不足はホルモンバランスを崩し、ニキビを悪化させる原因となります。

毎晩7〜8時間の睡眠を確保し、肌の回復を促進させましょう。

洗顔後のケアを大切にする

洗顔後に肌が乾燥しないよう、必ず保湿を行いましょう。乾燥すると皮脂が過剰に分泌され、毛穴が詰まりやすくなります。

保湿力のある化粧水や乳液を使い、肌のバリア機能を保つことが大切です。

化粧品を見直す

肌に優しい化粧品を使用し、オイルフリーやノンコメドジェニック(毛穴を塞がない)の製品を選びましょう。

化粧品の使用後は、しっかりとクレンジングを行い、毛穴に汚れが残らないようにします。

ニキビ治療の流れ

保険診療

炎症が起きている場合はまず抗生剤の飲み薬と塗り薬を使い、炎症を抑えます。

膿がたまっている「黄ニキビ」の場合は針を刺して膿を排出する処置も行います。

ニキビ自体の治療としては、アダパレンや過酸化ベンゾイルといった塗り薬を使用することで、毛穴の詰まりを改善していきます。

これらの塗り薬を継続して使用することで、ニキビができにくい肌を目指していきます。

また、ホルモンバランスや食生活の乱れからニキビができることも多く、ピルや漢方薬・ビタミン剤も必要に応じて内服します。

美容診療

美容(自費)診療は何度も受けたが治らないという方、また、少しでも早く治したかったり、後述するニキビ痕に対する治療も希望される方にお勧めです。

ニキビに効果が高いケミカルピーリングや肌の状態を整えるイオン導入に加え、自宅で使用できるピーリング剤やサプリなどもあります。

また、ニードルRFのように毛穴や皮脂線を熱で引き締める治療も効果的です。

ニキビだけでなく、肌悩み全体にアプローチできるのが、美容診療でニキビ治療をする大きなメリットです。

お薬については、当院で取り扱っているものをご紹介しますので、参考になさってください。

イソトレチノインについて

イソトレチノインは、ニキビ治療において非常に効果的な薬剤の一つで、海外では重度のニキビ(特に膿を伴う嚢胞性ニキビ)に対して保険適用で使用されています。

日本では保険適用ではありませんが、重症ニキビへの有効性が確認されています。

イソトレチノインの効果

イソトレチノインは、皮脂腺の働きを抑制することで、過剰な皮脂分泌を減少させます。

これにより、毛穴の詰まりが改善され、アクネ菌の繁殖を防ぐことができます。

また、肌のターンオーバー(新陳代謝)を促進し、角質が詰まりにくくなるため、ニキビの発生を抑える効果もあります。

イソトレチノインの副作用

イソトレチノインはその強力な効果に伴い、副作用があることも知られています。

代表的な副作用には、乾燥肌、口唇や目の乾燥、筋肉痛、関節痛、頭痛などが含まれます。また、非常に稀ではありますが、うつ症状や肝機能障害が起こる可能性もあるため、治療中は定期的な血液検査が必要です。

特に女性には、妊娠中の使用が禁忌とされています。イソトレチノインが胎児に影響を与え、奇形を引き起こすリスクが高いため、使用前には妊娠検査を受けることが推奨されます。

イソトレチノインの使用方法と注意点

イソトレチノインは、通常、内服薬として使用されますが、治療の開始前に皮膚科医による十分な診察と検査が必要です。

また、治療期間中は日焼けを避けることが求められ、乾燥や刺激に敏感な状態となるため、保湿を徹底することが重要です。

アクネトレントについて

アクネトレントは、ニキビ治療に使われる医薬品の一つで、イソトレチノインを主成分としています。

ソトレチノインは強力なニキビ治療薬として知られていますが、アクネトレントはその製品名で販売されているものです。主に重度のニキビや他の治療法が効果を示さない場合に処方されます。

アクネトレントの効果

アクネトレントは、ビタミンA誘導体であるイソトレチノインを含み、皮脂腺の活動を抑制することで、過剰な皮脂分泌を減少させ、毛穴の詰まりを防ぎます。これにより、ニキビの発生を大幅に抑制する効果があります。また、肌のターンオーバーを促進し、皮膚の角質が毛穴を塞ぎにくくするため、ニキビができにくくなります。

この薬は、膿を伴うニキビや嚢胞性ニキビなど、通常の治療法では改善しにくい重度のニキビに対して非常に効果的です。内服薬として服用する形で使用され、一定の治療期間を通して症状の改善が期待されます。

アクネトレントの副作用

アクネトレントの使用に際しては、副作用に注意が必要です。イソトレチノイン自体は強力な効果を持っているため、いくつかの副作用が現れることがあります。主な副作用には、以下のようなものがあります。

乾燥肌や唇のひび割れ:皮膚の乾燥が進み、肌や唇がカサつきやすくなることがあります。
目の乾燥:目の乾燥や、異物感を感じることがあります。
筋肉痛や関節痛:運動後の筋肉痛や関節の痛みが生じることがあります。
頭痛や倦怠感:治療中に頭痛や体調不良を感じることがあります。

また、妊娠中の使用は絶対に避けなければなりません。

イソトレチノインは胎児に奇形を引き起こすリスクが高いため、治療前には必ず妊娠検査を受け、治療中に妊娠しないよう強い避妊措置が求められます。

アクネトレントの使用方法と注意点

アクネトレントは、医師の処方のもとで使用する内服薬です。通常、数ヶ月にわたる治療が行われ、症状の改善具合を見ながら治療が進められます。治療中は、定期的な血液検査や肝機能チェックが行われることがあります。

また、アクネトレントは肌の乾燥を引き起こすため、保湿を徹底し、日焼け止めを使用することが推奨されます。治療中は過度な日焼けを避けることが必要です。

「ニキビ」はホームケアが重要

できてしまったニキビは皮膚科での治療が必要になります。

ですが、できにくい肌を保つにはご自宅でのケアが大事になります。

お肌のケアはもちろんですが、食事や喫煙、また日常生活の乱れは身体と皮膚のバランスを崩すため、これらを見直すことも重要です。

食事は油分・糖質の過剰な摂取を控えることに加え、皮脂の分泌を抑えるビタミンB2、ビタミンB6や酸化を防いでくれるビタミンCなどを摂取するようにしましょう。
食事では足りない栄養素についてはサプリメントも有効です。

ニキビは脂性肌(オイリー肌)の方がなりやすいですが、乾燥していても皮脂が過剰に分泌されたり、皮膚表面のバリアーが崩れて、ニキビができる原因となります。
ですので、余分な皮脂を洗い流したあとには、しっかりと保湿するようにしましょう。

当院ではお肌の状態にあわせて、ドクターズコスメやサプリをご提供することも可能ですし、お持ちの化粧品や市販の化粧品についてもご一緒に考えさせていただきます。

当院の「ニキビ」治療へのこだわり

保険診療ではニキビの治療がメインとなり、ニキビが治ってからのケアの方法や予防方法はあまり伝えられません。

当院ではニキビが出来にくくする方法やニキビ痕のケアについてもご相談が可能です。

ご希望があれば、化粧品や自費診療のご案内もさせていただいております。

「ニキビ」について、よくある質問

Q:色々な皮膚科に行きましたが、あまりよくなりません。治りますか。

一言でニキビといっても、重症度によって治療法は異なります。ですが、どの治療法でも数カ月は継続していただくことが重要です。

一度診察を受け、外用や内服をもらってすぐに効果が出なかったから途中で治療をやめてしまう方もいらっしゃいます。ニキビ治療には根気が必要です。

治療方法が合わなければ、こちらも根気強く別の方法をご一緒に検討させていただきます。

Q:ニキビの薬を塗るとかゆくなるのですが、続ける方が良いですか。

ニキビの外用剤は副作用として、赤みやかゆみが出ることがあります。通常、最初は少量で使われますが、その時点では問題なくても広範囲に塗るとそういった症状が出る方もいます。

また、アレルギー反応で同様の症状が出ている方もいらっしゃいます。
かゆみや刺激感が気になるときは一度使用を中止し、医師に相談するようにしてください。

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